【クイズで学ぶ】デエビゴ錠の特徴

新薬クイズ2020

新規不眠症治療薬として、非ベンゾジアゼピン系の新たな選択しとなるデエビゴ錠がエーザイより発売となります。
このページでは、クイズを通してデエビゴ錠の特徴をお伝えしていきます。

Q1. デエビゴ錠の一般名(成分名)は?

Q1.デエビゴ錠の一般名(成分名)は?

① スボレキサント
② ラメルテオン
③ レンボレキサント
④ エスゾピクロン

Q1. 回答・解説

A. ③ レンボレキサント
① スボレキサント → ベルソムラ
② ラメルテオン → ロゼレム
④ ルネスタ → エスゾピクロン
デエビゴ錠の一般名(成分名)はレンボレキサント(Lemborexant)です。
オレキシン受容体拮抗薬のステムは「-orexant」で、同じくオレキシン受容体拮抗薬のベルソムラの一般名はスボレキサント(Suvorexant)となっています。
▼名称の由来は以下の通り
Day(日中)+Vigor(活力)+Go(ready to go)が名称の由来である。
デエビゴ錠インタビューフォームより

Q2. デエビゴ錠の作用機序は?

Q2. デエビゴ錠の作用機序は?

① メラトニン受容体を刺激する
② メラトニン受容体を阻害する
③ オレキシン受容体を刺激する
④ オレキシン受容体を阻害する

Q2. 回答・解説

A. ④ オレキシン受容体を阻害する

レンボレキサントは、OX1R及びOX2Rの両者に対し競合的かつ可逆的拮抗作用を有するオレキシン受容体拮抗剤である
デエビゴ錠インタビューフォームより
オレキシンは覚醒に関わる神経ペプチド。
2種のオレキシン受容体(OX1R、OX2R)を介し、覚醒の維持と睡眠の抑制に働く。
オレキシンはナルコレプシーの研究で見いだされた神経ペプチドであり、ナルコレプシーの原因はは、自己免疫機序によるオレキシン神経の後天的な破壊によるという説が有力とされています。
ヒトは覚醒系と鎮静系の2つの神経系によって覚醒状態のバランスが取られています。
ナルコレプシーの仮眠症状は、オレキシン神経系がうまく働かず、覚醒の維持ができないため引き起こされます。
これを逆手に取ったのがオレキシン受容体拮抗薬であり、不眠症患者の覚醒機構を抑制することで、睡眠の維持向上をもたらします
GABA受容体に作用する睡眠薬では、鎮静機構を促進することにより強制的に睡眠を誘発するため、自然な睡眠が得られませんでした。オレキシン受容体拮抗薬では不自然な鎮静を引き起こさないため、より自然な眠りを促すことが期待されています。
近年、ベンゾジアゼピン受容体に作用しない薬剤の推奨が進む中、その選択肢はメラトニン受容体作動薬のロゼレムと、オレキシン受容体拮抗薬のベルソムラしかありませんでした。
デエビゴ錠の承認により、非ベンゾジアゼピン系薬の選択肢がひとつ広がったことになります。

Q3~Q5. デエビゴ錠の用法用量と使用上の注意について

Q3. デエビゴ錠の正しい用法用量は?

① 1日1回2.5mgを就寝前に経口投与する。
② 1日1回5mgを、高齢者には2.5mgを就寝直前に経口投与する。
③ 1日1回5mgを就寝直前に経口投与。1日1回10mgを超えないこと。
④ 1日1回就寝直前に経口投与。2.5mgから開始し、10mgを維持量とする。

補足:デエビゴ錠の承認規格は2.5mg、5mg、10mg

Q4. デエビゴ錠の使用上の注意について正しいものをすべて選べ

① 入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、食事中又は食直後の服用は避けること
② 65歳以上の高齢者では血漿中濃度が上昇するため、2.5mgに減量する
③ 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与を避けること
④ 中等度肝機能障害患者では、血漿中濃度が上昇するため、1日1回5mgを超えないこと

Q5. デエビゴ錠ではCYP3Aを中程度以上阻害する薬剤を併用する場合は2.5mgへ減量する必要がある。CYP3Aを中程度または強力に阻害する薬はどれかすべて選べ

① ベラパミル(ワソラン)
② フルボキサミン(デプロメール、ルボックス)
③ クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)
④ イトラコナゾール(イトリゾール)
⑤ ニフェジピン(アダラート)

Q3~Q5. 回答・解説

A3. ③ 1日1回5mgを就寝直前に経口投与。1日1回10mgを超えないこと。
A4. ①、④ 高齢者の減量は必要なし。薬物依存も生じない。
A5. ①、③、④

デエビゴ錠の用法用量、5つのポイント

① 常用量は5mg、増量する場合は10mgまで
② 就寝直前に投与
③ 高齢者での減量は必要なし
④ 2.5mg錠は、CYP3Aを中程度又は強力に阻害する薬剤のみ適応
⑤ 食事の影響を受け効果遅延
① 常用量は5mg、増量する場合は10mgまで

通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。

② 就寝直前に投与
本剤は就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床
して仕事等で活動する可能性があるときは服用させないこと。
デエビゴ錠のTmaxは0.5~2時間程度(10mg,14日目の中央値は1.5h)と短く、服用後の安全性を考慮し、就寝直前の服用とした、とのこと。
また、海外の臨床試験では、デエビゴ錠服用4時間後に被験者をアラームで覚醒させて検査を行った結果、平衡機能、注意力及び記憶力への影響が示されています。そのため、睡眠中に一時的に起きて作業等をする際には服用しないこととされています。
③ 高齢者での減量は必要ないが、注意はすべき

同効薬であるベルソムラでは、服用9時間後の血中濃度を測定した結果、高齢者15mgと成人20mgでほぼ同じ血中濃度が得られたことから、65歳以上の高齢者では15mgに減量することとなっています。

対するデエビゴでは、同様の試験は行っておらず、年齢による減量は設定されていません。

臨床試験では、66~76歳の高齢者5人の反復投与試験では、健康成人と比較して、Cmaxは18%上昇、AUC(0-24h)は12%増加とそれぞれ結果が得られています。

以上のことから、減量の必要性はないものの、高齢者ではクリアランスが低下していることが考えられるため、注意は必要であると考えられます。

④ 2.5mg錠は、CYP3Aを中程度又は強力に阻害する薬剤のみ適応

) CYP3Aを阻害する薬剤との併用により、レンボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。CYP3Aを中程度又は強力に阻害する薬剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)との併用は、患者の状態を慎重に観察した上で、本剤投与の可否を判断すること。なお、併用する場合は1日1回2.5mgとすること。

ベルソムラの10mg規格と同じく、デエビゴ錠でも2.5mg規格が存在します。CYP3Aを中程度以上阻害する薬剤を併用中の患者に限り適応となっています。

▼CYP3Aを中程度~強力に阻害する薬物の例

 

基質薬物の代謝を阻害する強さは、「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」によって以下のように定義されています。

阻害薬の強さ 阻害薬による基質薬物のAUC増加量
強い 5倍以上
中程度 2倍~5倍未満
弱い 1.25倍~2倍未満
⑤ 食事の影響を受け効果遅延

デエビゴ錠はベルソムラと同じく、食事の影響を受け効果発現が遅れることが報告されています。

入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、本剤の食事と同時又は食直後の服用は避けるこ
と。〔食後投与では、空腹時投与に比べ、投与直後のレンボレキサントの血漿中濃度が低下す
ることがある〕

健康成人24例で、空腹時および食後でのデエビゴ錠の薬物動態の比較をした結果、tmaxの中央値は1時間から3時間に遅延し、Cmaxも23%低下しています(最小二乗幾何平均値)。

Q6. デエビゴ錠は一包化できる?

Q6. デエビゴ錠は一包化可能か

Q6. 回答・解説

A6. デエビゴ錠は一包化可能

デエビゴ錠の安定性試験では、湿度温度条件下で12ヶ月、光条件下で4ヶ月間(※)においても変化が見られず、一包化に適していると考えられています。

(※)総照度120 万lx・hr とは、調剤室とほぼ同じ明るさの光である照度1,000lx の光を1 日10 時間照射した場合の約4 カ月間に相当する。

エーザイホームページより(https://faq-medical.eisai.jp/)

デエビゴ錠インタビューフォームより

ベルソムラは一包化に適さず、PTPのまま渡ししたり、入居施設等からの要望によりひとつひとつホチキス止めをしていたりする場面もあったかと思いますが、デエビゴ錠ではそのような心配がなく、使いやすい薬剤となっています。

Q7. デエビゴ錠の副作用は?

Q7. デエビゴ錠の副作用に関連する記載について正しいものは?

① 筋弛緩作用を有するため、ふらつきによる転倒に注意が必要である。
② 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
③ 重大な副作用として、呼吸抑制や前向性健忘があらわれることがある。
④ 高齢者では血中濃度上昇による副作用が起こりやすいため注意が必要である。

Q7. 回答・解説

A.7 ②、④

不眠症患者を対象とした国際共同第III相試験において、本剤が投与された884例(日本人155例を含む)中249例(28.2%)に副作用が認められた。
主な副作用は、傾眠95例(10.7%)、頭痛37例(4.2%)、倦怠感27例(3.1%)等であった。(承認時)

デエビゴ錠はその作用機序から、傾眠や倦怠感などの鎮静による副作用が見られます。しかし、非ベンゾジアゼピン受容体作用薬であるので、筋弛緩作用や呼吸抑制、前向性健忘などの副作用は報告がありません。また、重大な副作用の報告もなく、使いやすい薬かと思われます。高齢者においては成人に比べクリアランスが低下しているため、副作用が起こりやすくなります。傾眠などの副作用に注意し、特に運転等危険な作業は避けるべきです。

まとめ

▼デエビゴ錠の情報まとめ

一般名 レンボレキサント
規格 2.5mg、5mg、10mg
効能効果 不眠症
用法用量 成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。CYP3Aを中程度以上阻害する薬剤と併用する場合のみ2.5mgへ減量。
禁忌 過敏症、重度の肝機能障害
主な副作用 傾眠(10.7%)、頭痛(4.2%)、倦怠感(3.1%) 、(884例中の割合)
一包化 可能
製造販売元 エーザイ株式会社
問い合わせ 医療関係者(0120-419-497)、一般(0120-151-454)

 

参考文献・webサイト

デエビゴ錠 添付文書(2020年4月改訂(第2版))
デエビゴ錠 インタビューフォーム(2020年4月改訂(第2版))
エーザイホームページ:https://faq-medical.eisai.jp/
日本睡眠学会:ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン

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