【クイズで学ぶ】ラツーダ錠の特徴

新薬クイズ2020

新たな抗精神病薬であるラツーダ錠が製造承認を受けました。
ラツーダ錠は2010年からアメリカで発売されており、10年の使用実績があります。双極性障害のうつ症状にも有効性があることから、期待が持たれています。

このページではラツーダ錠の特徴について、クイズを交えてご紹介していきます。

Q1. ラツーダ錠の一般名(成分名)は?

ラツーダ錠の一般名(成分名)は?

① トラゾドン
② ルラシドン
③ パリペリドン
④ ブレクスピラゾール
⑤ クロザピン

Q1. 回答・解説

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A. ② ルラシドン

① トラゾドン → レスリン
③ パリペリドン → インヴェガ
④ ブレクスピラゾール → レキサルティ
⑤ クロザピン → クロザリル

ラツーダ錠の一般名(成分名)は ルラシドン(Lurasidone)です。

 

▼製品名の由来は以下の通り。

名称の由来
「latitude」に由来する。
latitudeとはどんな意味か、辞書によると以下の通りでした。

「latitude」とは、緯度、黄緯、(緯度からみた時の)地方、(思想・行動などの)自由範囲、自由

weblio辞書:https://ejje.weblio.jp/content/latitude

思想や行動などの自由を意味するようです。

 

Q2. ラツーダ錠の作用機序は?

Q2. ラツーダ錠の作用機序は?

① ドパミンD2受容体、セロトニン5-HT2A、5-HT7受容体阻害薬、及びセロトニン5-HT1A受容体部分作動薬として働くセロトニン・ドパミン拮抗薬(SDA)である。

② セロトニン5-HT1A受容体及びドパミンD2受容体の部分作動薬として、また、セロトニン5-HT2A受容体拮抗薬として働く、セロトニン・ドパミン・アクティビティ・モジュレーター(SDAM)である。

③ ドパミンの D2 様受容体(D2、D3、D4)をはじめ、5-HT2A,2B,2C、5-HT6、ムスカリンα1-アドレナリン及びヒスタミン H1などの各種神経伝達物質受容体に高い親和性を有する、多元受容体型標的薬(MARTA)である。

④ ドパミンD2受容体の部分作動薬として働く、ドパミン・システム・スタビライザー(DSS)である。

Q2. 回答・解説

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A. ①

ドパミン D2受容体、セロトニン 5-HT2A受容体及び 5-HT7 受容体に対してはアンタゴニスト、5-HT1A受容体に対してはパーシャルアゴニストとして作用する非定型抗精神病薬である。

② → レキサルティの記述
③ → ジプレキサの記述
④ → エビリファイの記述

抗精神病薬は大きく定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬のふたつに分類されています。

定型抗精神病薬はドパミンD2受容体拮抗作用を主とする薬剤であり、幻覚や妄想、興奮といった陽性症状を改善します。
一方、非定型抗精神病薬は、ドパミン神経系に加え、セロトニン神経系も抑制し、抑うつ、意欲減退などの陰性症状にも効果を表します。

▼抗精神病薬一覧

ラツーダ錠は非定型抗精神病薬で、セロトニン・ドパミンアンタゴニスト(SDA)に分類されています。

Q3. ラツーダ錠の適応症は?

Q3. ラツーダ錠の適応症について正しいものは?すべて選べ

① 統合失調症
② 神経症における不安・緊張・抑うつ
③ 双極性障害におけるうつ症状の改善
④ 双極性障害における躁症状の改善
⑤ 胃・十二指腸潰瘍

Q3. 回答・解説

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A3. ①、③

ラツーダ錠の適応症

効能又は効果
○統合失調症
○双極性障害におけるうつ症状の改善

ラツーダ錠の適応症は統合失調書と双極性障害のうつ症状です。
神経症や躁症状への適応はありません。

双極性障害の治療では主に気分安定薬と抗精神病薬が使用されており、双極性障害の抑うつ症状に対する抗うつ薬の使用は、躁転や急速交代化(1年のうちに4回以上躁状態とうつ状態を繰り返す状態:ラピッドサイクリング)のリスクがあるとされ、単独使用は推奨されていません。特に三環系抗うつ薬はそのリスクが高く、非推奨となっています。

既存の薬剤で双極性障害のうつ症状に適応があるのは、オランザピン(ジプレキサ)とクエチアピン徐放錠(ビプレッソ)のみとなっています。
日本うつ病学会治療ガイドライン(Ⅰ.双極性障害 2017 )では上記2種の薬剤に加え、リチウム製剤とラモトリギン(どちらも適応外)が推奨となっています。
アリピプラゾール(エビリファイ)も適応外で使用されています。

このように、双極性障害のうつ症状に使用できる薬は少なく、ラツーダ錠は新たな選択肢として期待が持たれています。

Q4. ラツーダ錠の用法用量は?

Q4. ラツーダ錠の用法用量について正しいものは?すべて選べ

① 統合失調症および双極性障害のうつ症状ともに、20~80mg を1日1回 食後経口投与する。
② 統合失調症に対しては40mgを 1日3回 食後経口投与する。
③ 双極性障害のうつ症状に対しては20~60mg を 1日1回 食後経口投与する。
④ 最大量は統合失調症では80mg、双極性障害のうつ症状では60mgである。
⑤ 統合失調症、双極性障害ともに開始用量は20mgである。

 

Q4. 回答・解説

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A4. ③、④

ラツーダ錠の用法用量

ラツーダ錠の用法用量は適応症によって変わります。

〈統合失調症〉
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として 40mg を 1 日 1 回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1 日量は 80mg を超えないこと。

〈双極性障害におけるうつ症状の改善〉
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として 20~60mg を 1 日 1 回食後経口投与する。
なお、開始用量は 20mg、増量幅は 1 日量として 20mg とし、年齢、症状により適宜増減するが、1 日量は 60mg を超えないこと。

統合失調症では、臨床試験において20mgでの有効性が認められなかったこと、開始用量を80mgとすると有害事象による中止割合が高かったことから、開始用量は40mgとなっています。
また、80mg群ではスコアの変化量が大きくなる傾向が見られていることから、最大容量は80mgとなっています。

双極性障害におけるうつ症状では、最低20mgで有効性を示し、また、80~120mg群ではアカシジアの発現割合が上昇し、有効性も検証されなかったことから、開始用量を20mg、最大容量は60mgとなっています。

Q5. ラツーダ錠の使用上の注意は?

Q5. ラツーダ錠の使用上の注意について、正しいものはどれか?すべて選べ

① 腎機能および肝機能障害のある患者での用量調節が必要ない薬剤である。
② 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
③ 主としてCYP3A4で代謝されるため、同酵素を強く阻害または誘導する薬剤とは併用禁忌である。
④ 糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

Q5. 回答・解説

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A5. ②、③、④

ラツーダ錠の使用上の注意

禁忌項目の一覧を見る
禁忌項目 理由
昏睡状態の患者[昏睡状態が悪化するおそれがある。] 中枢神経抑制作用があるため
バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
CYP3A4 を強く阻害する薬剤を投与中の患者 主として CYP3A4 で代謝されるため
CYP3A4 を強く誘導する薬剤を投与中の患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 再投与により過敏症状が再発する可能性が高いと考えられるため
アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く) 弱いながらもアドレナリンα-受容体遮断作用を有するため
重要な基本的注意の一覧を見る
重要な基本的注意項目 理由
(効能共通) 興奮、不眠、不安等の精神症状を悪化させる可能性があるので観察を十分に行い、悪化がみられた 場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。 精神症状に作用するため。 臨床試験では不眠症 25/876 例(2.9%)、不安 18/876 例(2.1%)等が報告されている。
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。 中枢神経抑制作用があるため。 臨床試験では、傾眠 28/876 例(3.2%)等が認められている。
高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡 に至ることがあるので、本剤の投与に際しては、あらかじめこれらの副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。 抗精神病薬の投与による高血糖が報告されており、一部ケトアシドーシスや昏睡から死亡に至った 症例も報告されている。承認時までに実施した国内臨床試験では糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病 性昏睡の副作用は報告されていないが、耐糖能異常(血中ブドウ糖増加等)5/876 例(0.6%)が報告 されている。血糖上昇によりこれらの致命的な転帰をたどるおそれがあることから設定。
投与初期、再投与時、増量時にα交感神経遮断作用に基づく起立性低血圧があらわれることがあるので、患者の状態を慎重に観察し、低血圧症状があらわれた場合には減量する等、適切な処置を行 うこと。 弱いながらもアドレナリンα-受容体遮断作用を有することから、同様の作用を有する抗精神病薬に共通の注意喚起として設定
重要な基本的注意<双極性障害におけるうつ症状の改善> うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開 始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。 抗うつ作用を有する薬剤に共通の注意喚起
自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1 回分の処方日数を最小限にとどめること。
家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわ れるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。
大うつ病性障害等の精神疾患(双極性障害におけるうつ症状を含む)を有する患者への抗うつ剤の 投与により、24 歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、 本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。 SSRI 等の抗うつ剤を対象とした検討に基づく報告であり、本剤を含む抗精神病薬の投与による影響は不明であるものの、自殺関連行動及び他害行為は発現した場合に重大な転帰をたどる おそれがあることから、抗うつ作用を有する薬剤に共通の注意喚起として設定した。
不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運 動不穏等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症 状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されて いる。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された 場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。 SSRI 等の抗うつ剤を対象とした検討に基づく報告であり、本剤を含む抗精神病薬の投与によ る影響は不明であるものの、自殺関連行動及び他害行為は発現した場合に重大な転帰をたどる おそれがあることから、抗うつ作用を有する薬剤に共通の注意喚起として設定した。
うつ症状が改善した場合には、本剤の投与継続の要否について検討し、本剤を漫然と投与しない よう注意すること。双極性障害の維持療法における本剤の有効性は確立していない。 双極性障害では臨床試験において維持療法における日本人での安全性は確認されたものの、有効性 は検証されなかったことから設定

ラツーダ錠と併用禁忌の薬

ラツーダ錠は主にCYP3A4で代謝されるため、CYP3A4を強く阻害、または強く誘導する薬とは併用できません。

添付文書上では以下の薬剤との併用禁忌が設定されています。

▼CYP3A4を強く阻害する薬

分類 成分名 商品名
アゾール系抗真菌薬 イトラコナゾール (イトリゾール)
ボリコナゾール (ブイフェンド)
ミコナゾール (フロリード)
フルコナゾール (ジフルカン)
ホスフルコナゾール (プロジフ)
ポサコナゾール (ノクサフィル)
HIVプロテアーゼ阻害剤 リトナビル (ノービア)
ロピナビル・リトナビル配合剤 (カレトラ)
ネルフィナビル (ビラセプト)
ダルナビル (プリジスタ)
アタザナビル (レイアタッツ)
ホスアンプレナビル (レクシヴァ)
その他 コビシスタットを含む製剤 (シムツーザ、スタリビルド)
クラリスロマイシン (クラリス、クラリシッド)

 

▼CYP3A4を強く誘導する薬

成分名 商品名
リファンピシン (リファジン、アプテシン)
フェニトイン (アレビアチン、ヒダントール)

まとめ

▼ラツーダ錠の情報まとめ

一般名 ルラシドン
規格 20mg、40mg、60mg、80mg
効能効果 統合失調症、双極性障害のうつ症状
用法用量 〈統合失調症〉
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として 40mg を 1 日 1 回食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1 日量は 80mg を超えないこと。〈双極性障害におけるうつ症状の改善〉
通常、成人にはルラシドン塩酸塩として 20~60mg を 1 日 1 回食後経口投与する。
なお、開始用量は 20mg、増量幅は 1 日量として 20mg とし、年齢、症状により適宜増減するが、1 日量は 60mg を超えないこと。
禁忌 昏睡状態、中枢抑制剤の強い影響化、CYP3A4を強く阻害・誘導する薬剤、過敏症、アドレナリンを投与中
主な副作用 アカシジア(8.6%)
製造販売元 大日本住友製薬株式会社
問い合わせ 医療関係者(0120-034-389)、一般(0120-885-736)

参考文献・webサイト等

ラツーダ錠添付文書、インタビューフォーム

その他各種薬剤添付文書。インタビューフォーム

日本うつ病学会:日本うつ病学会治療ガイドライン(Ⅰ.双極性障害 2017 )

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